基地被害 現状発信へ 米記録映画製作者トレンブレーさん


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新基地建設作業や米軍基地を抱える地域の苦悩などを取材したリージス・トレンブレーさん=27日午前、名護市大浦湾海上

 【辺野古問題取材班】米国メーン州在住のドキュメンタリー映画製作者リージス・トレンブレーさん(70)が27日、名護市辺野古を初めて訪れ、新基地建設に反対する市民らの船に乗船し抗議行動や海上作業などを取材した。

沖縄防衛局や海上保安庁のボートや船舶が監視する中、基地阻止の声を上げる市民らの様子を目の当たりにしたトレンブレーさんは「米国の自由と民主主義の実現の裏側で、各国の住民が基地被害で苦しんでいる現状を伝えたい」と熱心にカメラを回した。
 トレンブレーさんは、韓国済州島の海軍基地建設問題を追ったドキュメンタリー「済州島の亡霊」を2012年9月に完成させた。その製作のさなかに、「辺野古問題」を初めて耳にしたという。昨年以降の辺野古問題の動きに注視する中、「実際に現場を見ないといけない」と思い立ち、26日に沖縄を訪れた。
 大浦湾の市民らの抗議行動を取材したトレンブレーさんは「米国では各国の米軍基地の情報がほとんどない。だから米国人は基地による被害のことも知らない。現地の姿にもっと目を向けさせたい」と強調した。
 28日まで県内に滞在し、大田昌秀元知事、稲嶺進名護市長へのインタビューを行う。これらの取材を基に辺野古問題を描いた映画製作へ取り組むという。
英文へ→US documentary filmmaker Regis Tremblay conveys harm caused by military bases