翁長雄志知事は29日午前、上京前に那覇空港で報道陣の取材に応じ、名護市辺野古の新基地建設に向けて沖縄防衛局が県に提出した埋め立て本体工事の実施設計と環境対策に関する協議書について、受理する一方、内容が不十分だとして防衛局に取り下げを求める考えを明らかにした。県の職員が同日に防衛局を訪れ、書面で要請した。
県は提出された実施設計が海底ボーリング(掘削)作業の中途段階で作成されたものであることから、「全体像が見えなければ環境に与える影響が分からない」などとして、協議開始に慎重な姿勢で、24日の協議書提出以降、取り扱いを内部で検討してきた。
翁長知事は記者団に「協議書自体は受理するが、全体の詳細な設計をした上であらためて出してほしいということだ」と述べ、防衛局が全体の実施設計を完成させた後に協議に入りたい考えを示した。
翁長知事はまた、前知事の辺野古埋め立て承認手続きの瑕疵(かし)を検証し、今月16日に知事に提出された第三者委員会の報告書と議事録を29日午後に公表することも発表した。【琉球新報電子版】