辺野古「再考」求める 知事、官房長官と会談


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菅義偉官房長官との会談後、記者団の取材に応える翁長雄志知事=31日午前10時50分ごろ、首相官邸

 【東京】翁長雄志知事は31日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会談し、米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設計画について、県の第三者委員会が埋め立て承認手続きに「瑕疵(かし)がある」と検証結果をまとめたことを説明し、事前協議についても「再考してもらいたい」と取り下げを求めた。

ただ菅氏は建設を進める政府の立場を示し応じなかった。
 会談は非公開で約15分間行われた。知事は第三者委員会の報告書を踏まえ「これをベースに議論をしたい」と訴えた。菅氏は「それは承知しているが、今日までの経緯を踏まえながら話し合っていこう」と述べるにとどめた。
 知事は辺野古の問題について「深化させていくのはこれからの議論になると思う」と述べ、新基地建設計画撤回を求めて政府と協議を続ける姿勢を示した。
 菅氏は、8月7日に知事が来年度の沖縄振興予算の3千億円台確保を求めて政府に要請する際、安倍晋三首相との面談の席を設けることを正式に伝えた。
 菅氏は会談後、午後の会見で「きょうはお互いの立場を確認した。今後も対話を続けたい」と述べた。ただ、翁長知事が埋め立て承認取り消しを示唆していることについては「行政の判断は下されている。できるかぎり自然、生活環境に配慮する」とし、予定通り工事を進める意向を示した。