兵庫の沖縄県人会も新基地反対行動 辺野古基金寄付へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
大きな拍手を送る沖縄県人会兵庫県本部の定期大会参加者=2日午後、兵庫県尼崎市のアルカイックホール

 【兵庫県尼崎市で松元剛】兵庫県在住の沖縄県人の交流基盤となってきた沖縄県人会兵庫県本部(大城健裕(たけひろ)会長、会員世帯約1400)は2日、名護市辺野古への新基地建設に反対する民意に賛同し、行事ごとに反対運動を支える「辺野古基金」への寄付を募る取り組みを始めた。

新基地反対を支える具体的な行動の展開が県人会組織で広がっている。
 同本部の第70回定期大会が2日、尼崎市のアルカイックホールで催された。戦後70年の節目に600人を超える会員や来賓が参加し、沖縄出身者の誇りを胸に今後の県人社会の発展と母県の支援に奮闘することを誓い合った。
 大城会長は「沖縄の本土復帰の際、兵庫県下の青少年が1億9千万円を集め、兵庫県の支援で3億5千万円かけて青少年施設(友愛スポーツセンター)を贈った。兵庫と沖縄の交流は特筆される。今後も友愛運動、交流を続けたい」とあいさつした。その上で「故郷・沖縄のためになすべきことがある。美しい海を埋め立てて新基地を造らせてはならない。辺野古基金への募金に協力をお願いしたい」と呼び掛けた。会場で役員らが寄付を募るカンパ袋を回し、多くの会員が応じた。
 同本部は辺野古新基地建設に向けた安倍政権の工事強行を受け、母県の民意を注視してきた。最後の官選知事として沖縄に赴任し、住民保護に奔走した島田叡氏(兵庫県出身)の顕彰碑が建立された6月にも大城会長らが来県し、県民と交流。支援方法を模索し、「辺野古基金」への寄付呼び掛けを組織決定した。
 大会の第1部の式典は、あでやかな「かぎやで風」で幕開け。来賓の翁長雄志知事(又吉優知事公室長代読)が「ウチナーンチュの誇りを持ち、兵庫の地で沖縄を支えてくれる活動は大変心強い」と謝意を表した。金澤和夫兵庫県副知事、稲村和美尼崎市長も強固な絆を保つ沖縄県人社会への敬意を示した。会員の集いで参加者は、琉球舞踊や歌手の前川守賢さんのステージを堪能した。
 兵庫県での戦後の県人会組織は1945年11月に尼崎沖縄県人連盟の結成大会が開かれたことが皮切り、78年に沖縄県人会兵庫県本部と改称した。強固な組織力を保ち14の支部が運動会、敬老会など活発な活動を展開し、青年部は兵庫と沖縄の若い世代の交流活動を毎年継続している。