防衛局、県要求拒む 辺野古本体工事、協議書取り下げず


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の本体工事開始に向けて沖縄防衛局が県に出した事前協議書について、県が取り下げを求めていた件で、沖縄防衛局は3日、「段階ごとに協議を行うことは何ら留意事項に反するものではない」などと取り下げ要求に応じないとする文書を県に提出した。

翁長雄志知事は「防衛局の回答は大変残念だ。全力を挙げて、工事が強行されないようにしたい」と述べた。協議に入らない場合、本体工事が強行される恐れもあるとして、県は今後、防衛局との実施協議に入っていく。
 沖縄防衛局は(1)今回提出した護岸と残る護岸の実施設計はそれぞれ独立していて、進捗(しんちょく)に伴って変更されるものではない(2)工事は段階的に実施されるもので、段階的に協議することは留意事項に反しない(3)段階ごとに環境保全対策を協議することは留意事項の内容に沿うものだ―という理由で、取り下げの求めに応じないと回答した。
 県土木建築部は防衛局が提出した実施設計と環境保全対策それぞれの協議書の精査作業を始める。防衛局が設定した質問期限の14日までに、事前協議に必要な書類の要求や協議書の内容に関する質問などを防衛局に対して提出していく。
 沖縄防衛局と県の事前協議は、前知事が2013年12月に辺野古の埋め立てを承認した際に付けた「留意事項」で求めている。
 防衛局は7月24日、海底ボーリング(掘削)調査の途中段階で作成した実施設計と環境保全策に関する事前協議書を提出していたが、県は実施設計や環境対策に関する評価が困難だとして「全体の詳細設計が終了した時点で事前協議を行うべきものだ」(翁長知事)と取り下げを求めていた。