【辺野古問題取材班】県と政府が米軍普天間飛行場の辺野古移設に関する一切の作業を停止すると確認した1カ月が10日、始まった。米軍キャンプ・シュワブゲート前では午前8時ごろ、工事用車両2台が基地内に入るのを市民らが確認した。
県警を通じ防衛局から「作業機器の調整のために入った」と説明があったというが、市民らは「初日から不信感を高める行動だ」として、ゲート前で激しく抗議。県警や基地警備員らとにらみ合いになり、騒然とした。
一方、大浦湾では海上作業は確認されていない。移設に反対する市民らは船2隻を出して、調査の有無を確かめた。海上保安庁のゴムボートや巡視船艇も確認されなかった。臨時制限区域を示す浮具(フロート)や浮標灯(ブイ)は残ったままで、沖縄防衛局の旗を掲げた警備会社の船数隻が監視していた。
ゲート前の座り込みは2014年7月7日の開始から400日を迎えた。夏休み期間中でもあり、ゲート前には家族と訪れた子どもたちの姿もみられた。
工事用車両が入ったのは同日午前8時ごろ。市民らはゲート前で「(作業停止期間の)初日から裏切るのか」「国と県の合意を防衛局の判断で破るのか」と抗議した。
参加者からは「機器の調整といっても作業の一環であり、認めることはできない」「長官と話す知事に、こういうことはやめるよう申し入れてもらいたい」といった声が上がった。
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