瑞慶覧コリドー地区 日米調整、年度内返還も


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 【東京】米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区に隣接するインダストリアル・コリドー地区について、政府が本年度中の返還合意取り付けに向けて米側と調整していることが10日までに分かった。

11日に来県する菅義偉官房長官はコリドー地区の視察も予定しており、翁長雄志知事との会談で早期合意を目指す方針を説明する可能性もある。
 コリドー地区をめぐっては、米軍施設・区域の返還統合計画で、返還時期が「2024年またはその後」とされている。宜野湾市などは、3月末に返還された西普天間住宅地区の開発やアクセス道路の確保に向け、国道58号と隣接するコリドー地区の早期返還を求めてきた。7月に佐喜真淳宜野湾市長から、早期の返還要請を受けたダーナ・ウェルトン政務公使は協議に応じる考えを示している。
 政府関係者によると、本年度中の返還は来年の宜野湾市長選に向けて政府の取り組みを沖縄側にアピールする狙いがある。そのため政府は市長選までに日程的余裕のある年内の合意も視野に、米側との交渉を進める方針。
 ただ防衛省関係者は「米側と詰めの交渉まで進んでいるわけではなく、返還時期は確定したわけではない」としており、実現性は不透明な部分もある。
 政府関係者によると、政府は渋滞解消に向けて浦添市が求めている牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の国道58号側の部分返還についても米国と交渉することを検討し始めた。菅氏は11日、キャンプ・キンザーの視察も予定している。