金城(柔道女子)攻めて3位 近畿総体第15日


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女子個人48キロ級準々決勝 積極的に攻める沖尚の金城有里(下)=11日、奈良県の天理大学杣之内第一体育館(諸見里真利撮影)

 【近畿総体取材班】全国高校総合体育大会「君が創る近畿総体」第15日の11日は近畿1府2県であり、県勢は4競技に出場した。柔道女子個人48キロ級で九州総体覇者の金城有里(沖縄尚学)が順当に勝ち上がり、準決勝は日下部敦美(大阪・関西大倉)に惜しくも敗れたが、3位入賞した。

女子団体の沖縄尚学は3回戦敗退だった。ソフトボール男子の読谷は3回戦は綾部(京都)に6―1と快勝したが、続く準々決勝で佐世保西(長崎)に1―3で敗れ4強入りを逃した。

◆“自分の柔道”貫くも涙
 「技ありであってほしい」。金城有里(沖縄尚学)のすがるような願いは届かなかった。女子48キロ級準決勝、金城は序盤から積極的に前に出て先に有効を奪った。だが、1分15秒。投げにいったところを大内刈りで返された。主審が「一本」を宣告すると、あふれる涙を抑えきれなかった。
 初戦から攻撃的な柔道は全開だった。準々決勝は、練習試合で勝てなかったという有野(奈良育英)を豪快な袖釣り込み腰で宙に舞わせた。敗れた準決勝も下がらず技を出し続けた末の、紙一重の勝負だった。真喜志康孝監督は「ずっと、ずっと、ずっと攻めていた。自分の柔道を貫き通して立派だった」と金城の悔しさを思いやった。
 高校最後の年。九州総体で初優勝し、全国総体は昨年の8強から一つ階段を上った。主将の重責もやり遂げた。金城自身も「勝利への執念や投げ切る粘り強さ」に成長を感じている。「本気で日本一を目指したからここまでこれた」
 父の影響で柔道を始め、人一倍家族思い。この日も準決勝前に、応援席にいる家族の顔を見て気合いを入れた。試合後、銅メダルを父に掛けようとしたが照れてかわされ、母に掛けた。強豪の帝京大に進学予定で、「夢は大きい方がいい」と口にしたのは2020年の東京五輪出場だ。「“上”が見たい」。日本一、そして世界一へ。両親に金メダルを掛けてあげる日を目指し、金城の挑戦がまた始まる。(大城周子)