安保法案反対、若者動く シールズ琉球発足「新基地造らせない」


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終戦記念日に設定した会見で「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」の設立を発表する(右から)元山仁士郎さん、玉城愛さん、名嘉一心さん=15日、那覇市のてんぶす那覇

 敗戦の日の15日、安全保障関連法案に反対する県内の若者たちでつくる団体「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」が発足した。那覇市のてんぶす那覇で開いた設立会見で、メンバーは祖父母から聞いた沖縄戦体験などを挙げ、敗戦の日に設立した思いを語った。

安保法案をはじめ、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設にも反対していく。23日に北谷町で行う安保法案反対の街頭行動(集会)は500人以上の参加を目指す。
 「敗戦から70年たっても日本は歴史に向き合えていない。戦後、沖縄に立憲主義が適用されていたのか、基本的人権が守られてきたのか問いたい」。中心メンバーの元山仁士郎さん(23)=国際基督教大4年、宜野湾市出身=は強調した。在沖米軍基地が朝鮮戦争、ベトナム戦争への出撃基地となった歴史を挙げ「これ以上戦争に加担したくないという思いと、新たな軍事基地を絶対に造らせない覚悟がある」と述べた。
 東京の国会前などでデモ行進を続ける「シールズ」の関連団体は関西、東北に続いて全国で四つ目。23日の集会は全国若者一斉行動に呼応して開く。翁長雄志知事が国連でスピーチする予定の9月下旬には、辺野古の新基地建設に反対する行動も計画中だ。
 会見では、安保法案に対し(1)立憲主義、民主主義に反する(2)議論と説明が不十分(3)若者として沖縄に暮らす者として命が危険にさらされる―などと指摘した。
 祖父が戦争を体験した名桜大3年の玉城愛さん(20)=名護市=は「弟が死んでも悲しむことができなかったと聞き、戦争が人間から奪うものは何なのか考えさせられた。社会問題に意見表明するのがタブー化されている。基地などの問題を友達と話せる社会にしていきたい」と語った。
 沖国大2年の名嘉一心さん(19)=南風原町=は「小学生のころ、南風原陸軍病院壕で戦争体験者の話を聞いた。安保法が成立すれば若者が戦争に行くことになる」と危機感を表す。元山さんは「路上で声を上げることも継承の一つの形だ」と強調した。
 シールズ琉球は22日に宜野湾市内で勉強会を開く。23日の集会は北谷町美浜のカーニバルパーク・ミハマで正午開始。安保法案に反対する人なら誰でも参加できる。音楽やラップ調のコールなどを取り入れる。ツイッターやフェイスブックで情報発信する。