5年内停止実現「深い議論ない」 駐米大使、普天間に見解


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】佐々江賢一郎駐米大使は21日の記者会見で、政府が実施を明言してきた米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止について「今、具体的に深い議論をしていることはないと思う」と述べ、米側と実現に向けた実質的な協議に至っていないことを明らかにした。

 5年以内の運用停止は、普天間飛行場の名護市辺野古への移設や在沖米海兵隊のグアム移転など米軍再編の中で進むという認識を示した上で「われわれの立場で言えば、辺野古問題が見えていかないと、(運用を)止めるということだけを言うのは現実としては、特に米政府の立場から難しい点もある」と指摘した。
 ただ米側には県が5年以内の運用停止を求めていることを伝えているとし、米側も「認識している」と説明した。
 普天間飛行場の5年以内の運用停止は、仲井真弘多前知事が2013年末に辺野古沖の埋め立てを承認した際、地元の負担軽減策として首相に要求した。政府は「5年以内」の起点を閣僚と知事らで構成する「普天間飛行場負担軽減推進会議」の初会合があった14年2月18日と設定し、閣議決定した。一方、米側は5年以内の運用停止について「辺野古の基地が完全に完成するまで普天間は返さない」と否定している。