アーミテージ氏「米は代案あれば聞く」 辺野古見直しに柔軟


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「日本政府が別案を提案すれば、米国は耳を傾ける」と語るリチャード・アーミテージ氏=米バージニア州

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米知日派の重鎮、リチャード・アーミテージ元国務副長官が25日までに琉球新報のインタビューに応じた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画について「日本政府が別のアイデアを持ってくるのであれば、間違いなく米国は耳を傾ける」と述べ、翁長雄志知事が県内移設に反対していることを踏まえ、計画見直しに柔軟な姿勢を示した。

またアーミテージ氏は国防次官補などを務めていた1980年代に普天間の移設を協議事項として考えていたことを初めて明らかにした。
 アーミテージ氏は日本政府が「辺野古が唯一の解決策」と繰り返し主張していることについて「日米間の安全保障上の関心事や沖縄の関心事をかなえるには、『最も実現可能性がある選択肢』という理解だ」と指摘した。地域情勢の変化によっては選択肢が変わる可能性があることを示唆した。
 ただアーミテージ氏は「米国内で、本気でプランB(移設計画の代替案)を考えている人はいない。私には現状を変えることはできない」とも述べた。「辺野古に移転せずに普天間を閉鎖すれば、中国や北朝鮮に誤ったシグナルを送ることになる」とも語り、普天間飛行場の重要性を強調した。森本敏元防衛相が辺野古移設は政治的理由と主張していることについては「(政治決定は)民主国家の実情である。日米安保条約に関係する全ての決定は政治的、軍事的の両方からなされる」と指摘した。日本政府が移設作業を1カ月停止し、沖縄県と集中的に移設問題を協議していることについては協議の行方を注視する意向を示した。
 アーミテージ氏は「国防次官補の時、私は普天間飛行場の移設を協議事項として持っていた。だが、冷戦だったし、アフガニスタンで、ソ連と戦争していた。全てがテロの対処に向かっていた。沖縄から気がそれてしまった、大変、申し訳ない」と述べた。
 アーミテージ氏はジョセフ・ナイ元国防次官補との連名で、超党派の対日専門家による政策提言書「アーミテージ・ナイ報告」を発表し、集団的自衛権の行使容認などを求めてきた。