菅氏、東村・着陸帯建設へ協力要請 知事は返答保留


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 菅義偉官房長官が29日の集中協議で、東村高江へのヘリパッド建設について県の協力を求めた。菅氏は北部訓練場の過半に当たる4千ヘクタールが返還できるとして県の協力を求めたが、翁長雄志知事はヘリパッドが建設されれば県が配備撤回を求める米海兵隊のオスプレイ配備が予想されることから協議の場では「要請を受けた形とする」と答えるにとどめた。

 協議後、記者団に認識を問われた翁長知事は「沖縄の基地問題はたくさんある。たくさんあるものが一つ一つどのようにやっていくか」と述べた上で、普天間の県外移設、オスプレイ配備撤回、新基地建設反対を挙げ、これらに取り組む中で「収斂(しゅうれん)される」とした。
 まずは幅広い県民の結集軸となっている県外移設要求や配備撤回などに取り組む中で、ヘリパッドについても見極めていくとの考えとみられる。
 高江のヘリパッドについて、仲井真県政時には、北部訓練場の返還を促進するとして建設を容認していたが、翁長氏は昨年11月の県知事選の公約発表で、オスプレイの運用が予定されているとして、建設に「反対」を明言した。
 翁長県政発足後、県議会2月定例会で町田優公室長は「北部訓練場の過半の返還について、SACO(日米特別行動委員会)合意の着実な実施が本県の基地の整理縮小、地元の振興につながる」と強調した。
 一方で「条件とされるヘリ着陸帯(ヘリパッド)の移設は地域の自然環境、住民生活への影響をめぐりさまざまな意見がある」と答弁し、地元の意向を聞き取りながら検討する考えを示している。
 24日の集中協議でも県側は国に対し、県議会答弁と同じ見解を示した。