県議会、安保法案廃案求め意見書可決 賛成多数、自公は反対


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 沖縄県議会は31日午前、臨時会を開き、与党5会派が提出した安全保障関連法案の廃案を求める意見書を賛成多数で可決した。法案に賛成する立場の野党自民党と中立会派の公明党は反対した。

意見書では「住民の4人に1人が犠牲となった苛烈な地上戦を体験した県民は、平和な社会を切実に求めており、再び戦争に加担するための法案は断じて許されない」と批判している。宛先は衆参両議長、首相、官房長官、外相、防衛相、沖縄担当相。
 自公は対案で「(法案に)国民の理解が深まっているかと言えば、まだまだ不十分であると言わざるを得ない」として慎重審議を求める意見書案を提出したが、先に可決された与党側の意見書案と相反する内容のため、採決されずに廃案となった。
 与党の意見書ではこのほか、集団的自衛権の行使を容認する同法案について「自衛隊を米国と一体となって戦争に参加させるものである」「立憲主義を蹂躙(じゅうりん)するものであり、到底許されない」などとして廃案を求めている。
 討論では与野党それぞれが、自身の意見書に賛成し相手側の意見書に反対する意見を述べた。与党側は安全保障関連法案の違憲性や戦争加担への懸念を表明した一方、自公は法案が憲法の範囲内にとどまると主張し、集団的自衛権行使が必要最小限であることや発動の要件が厳格に定められていることなどを強調した。
 採決では賛成が与党の23人、反対が自公の17人、退席が維新の党や無所属の6人だった。退席した6人は維新の當間盛夫氏、儀間光秀氏、公明党と会派を組んでいるが与党的立場の吉田勝広氏、無所属の呉屋宏氏、新垣安弘氏、嶺井光氏。