【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】ヒラリー・クリントン氏が2009~13年の米国務長官在任中、公務に個人用メールアドレスを使用していた問題で、国務省は8月31日、同氏から提供を受けた約3万通のメールのうち、約4400通を新たに公開した。
トナー副報道官は31日の記者会見で、今回公開されたメールのうち150通は、最近になって機密指定された情報を含んでいるとした。
米軍普天間飛行場の移設問題に関するメールもあった。
鳩山政権下で普天間問題が焦点となっていた10年1月7日、アンマリー・スローター国務省政策企画局長(当時)がクリントン氏に「注目しないといけない」として、元国防次官補のジョセフ・ナイ氏が普天間の移設について米側が日本政府に強硬姿勢で臨むことを「賢明でない」とし「忍耐強く戦略的に臨まなければならない」と提言した米ニューヨークタイムズ紙への寄稿文を送信していた。
クリントン氏に直接メールすることを立場上ためらいながらも送信を決意したことがうかがえ、県外移設を検討する日本の民主党政権に厳しく対応することへの強い懸念が米政府内にあったことが分かる。
また、10年4月25日、クリントン氏がキャンベル国務次官補(当時)に「フテンマ」との件名で送信したメールは「現状はどうなっているのか。●●●についての報告を読んだ。われわれは今、どうするのか」と問い合わせた内容になっている。機密扱いで●は伏せ字となっている。
キャンベル氏は翌日の26日に返信し「明日、東京でもっと知ることになるので、直接報告する」と伝えているが、このメールは大部分が伏せ字で詳細不明。
今回、公開されたのは09~10年に送受信されたメールで約7000ページ分に上る。今年5月に初めて公開して以来、今回で4回。