「採取地に壊滅的影響」 搬出反対協、阿部さんが報告


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阿部 悦子さん

 新基地建設用土砂の採取予定地の現状に関する報告会が3日、那覇市おもろまちの市職員厚生会館で開催された。報告会では「辺野古土砂搬出反対」全国連絡協議会の阿部悦子仮共同代表と日本自然保護協会の安部真理子さんが登壇した。

 阿部さんは全ての土砂採取予定地を調査し、地元住民に向けて講演活動してきた。採取場からの赤土で海の生物が壊滅的な影響を受けると話し「土砂搬入をする際、土砂を採取した場所と埋める場所、どちらのデメリットも大きい」と指摘した。
 安部さんは、外来種がその土地の生態系に与える悪影響について「辺野古の土砂搬入に伴う危険性が非常に高いアルゼンチンアリは、その土地で爆発的な勢いで増える。『危ない』と気が付いた時にはもう手遅れだ」と説明した。
 報告を聞いた「北限のジュゴンを見守る会」の鈴木雅子代表は「住んでいる土地を守りたい、という普遍的な価値観を再確認した。その土地に適した経済の仕組みを見直すという課題は沖縄だけの問題ではない」と感想を述べた。