辺野古県民投票、知事「意見踏まえ判断」 国連での演説明言


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政府との集中協議を終えて帰任し、記者団に答える翁長雄志知事=8日午後5時前、那覇空港

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる政府との集中協議最終会合に出席した翁長雄志知事は8日午後、帰任し、那覇空港で記者団の取材に応じた。集中協議が決裂したことを受け、埋め立て承認の取り消しに加え、県民投票を実施する可能性について「県民、与党、経済界からいろいろな意見がある。そういったことを踏まえて考えていきたい」と述べ、関係者と意見交換して実施方法などについて判断する考えを示した。

 埋め立て承認の取り消し時期は「じっくり、しっかり考えたい」と明言はしなかった。一方、「第三者委員会の結論を踏まえて取り消し、撤回を視野に入れてきた。昨日、(政府との協議決裂が)はっきり分かった時点だ」と述べ、取り消しを判断する節目が来たとの認識を示した。
 今月21、22日にスイス・ジュネーブで行われる国連人権理事会での演説に自ら出席し、基地問題を訴えることについて翁長知事は「日程的、物理的に不可能でなければ行きたい。長い演説はできないが、沖縄問題などを話したい」と演説することを初めて明言した。
 知事は集中協議の結果を待つ必要があるとして、国連演説の最終判断を保留していたが、協議決裂を受け国連で辺野古移設の見直しを求めることを決めた。
 翁長知事は記者団に「ワシントンや台北、香港などにも行ったが、経済界や政治家から『一度お会いしたかった』と言われた。世界的にも沖縄の問題が相当クローズアップされている」と述べ、国際社会に訴える意義を強調した。