辺野古作業を再開 政府強行、知事「大変遺憾だ」


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砂浜で作業の準備をする作業員と海上でカヌーに乗った阻止行動の市民=12日午後2時44分、名護市辺野古沖(普久原裕南撮影)

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐり、沖縄防衛局は12日午前6時半ごろ、海上作業を再開した。新基地建設に関連する作業は、県との集中協議入りに合わせて8月10日から停止していたが、決裂を受けて再開した。同日の作業内容について防衛局は「海底ボーリング(掘削)調査に向けた安全確保のためのフロート(浮具)設置作業」と説明した。掘削調査の再開は来週半ばごろに予定されている。県側が新基地建設の中止を求める中、政府側は工事強行に再び踏み切った。

 翁長雄志知事は再開について「大変遺憾だ。今後もあらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む」との談話を発表した。
 一方、翁長知事は14日にも辺野古の埋め立て承認の取り消しを表明する。近く事務手続きを開始し、10月中旬ごろに承認を取り消すとみられる。
 掘削調査は、防衛局が予定している24地点のうち19地点で完了し、5地点が残っている。
 作業は午前6時半ごろ、作業船や警戒船が海上に出て始まった。防衛局は作業船でフロートを引っ張り、沖合の航路付近に接続する作業を始めた。さらに浜から海上にフロートを出そうとしたが、新基地建設に反対する市民らがカヌーで行く手を阻んだため、接続作業は午後5時半ごろに途中で終了した。
 カヌーで抗議した市民9人を海保が一時拘束する場面もあった。
 防衛局は今後、陸上部分での解体作業や掘削調査などの作業を順次再開させる方針。
 米軍キャンプ・シュワブのゲート前では新基地建設に反対する市民ら最大約200人が集まり、作業再開に抗議の声を上げた。