辺野古再開に抗議 県議会、意見書を可決


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 沖縄県議会9月定例会は18日午前開会し、与党提出の「辺野古新基地建設工事再開に抗議し、新基地建設断念を求める意見書」を与党と中立会派などの賛成多数で可決した。(1)翁長雄志知事が辺野古埋め立て承認の取り消しを表明したことを受け、再開した工事を中止し、移設を断念すること(2)普天間飛行場の閉鎖・撤去を米政府と速やかに交渉すること-を求めている。

意見書では、新基地建設に関する県と政府の集中協議で政府が「前知事による辺野古埋め立て承認に固執し、『辺野古が唯一の解決策』という従来の強権的姿勢を改めなかった」と批判。
 翁長知事が辺野古埋め立て承認取り消しを表明し、手続きを開始したことについては「圧倒的な県民の民意を背景に行われたもので、知事の歴史的決断を断固支持する」と強調した上で「安倍政権は日本が民主国家だと言うならば、翁長知事の『承認取り消し』表明と県民の民意を尊重すべきだ」と訴えた。
 討論では自民党の又吉清義氏が「意見書は受け取った政府が趣旨を政策に反映するものでなければ意味がない」などと反対し、社大党の比嘉京子氏が「県には埋め立て申請不承認、承認取り消しの権限がある。自らの意思で未来を切り開く権利が付与されるべきだ」と賛成した。
 宛先は衆参両議長、首相、外相、防衛相、官房長官、沖縄担当相、沖縄防衛局長。
 定例会ではこのほか、翁長知事が台風被害の復旧関連事業費約4億7千万円を含む総額20億2827万円の補正予算案など44議案を提出した。