抗議行動に不満の集団、辺野古ゲート前テント荒らす 3人逮捕


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辺野古新基地抗議行動に不満を持つ男女に荒らされたテント=20日午前9時15分、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前

 【辺野古問題取材班】19日夜から20日未明にかけて、新基地建設に反対する市民らが座り込む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前に、抗議行動に不満を持つ男女約20人の集団が現れ、横断幕を破ったり、市民にけがを負わせたりした。名護署は傷害容疑と器物損壊容疑で男3人を逮捕した。殴られた男性(49)は顔面を打撲する軽傷を負った。

 名護署によると、傷害容疑で逮捕された容疑者(40)は「殴ってはいない」、器物損壊容疑で逮捕された容疑者(32)は「はっきり覚えていない」などと容疑を否認している。器物損壊容疑で逮捕されたもう1人の容疑者(34)は、容疑を認めている。傷害容疑で逮捕された容疑者は酒を飲んでいた。市民らによると、今月初旬ごろから「テントが襲撃される」などとした情報が寄せられていたという。
 集団は19日午後11時半から20日午前1時すぎにかけ、「テントをどかせ」「(基地を移設しないと)中国が攻めてくるぞ」などと言いながら市民らが設置しているテント内の机をひっくり返したり、横断幕を剥がしたりした。市民らと集団がもみ合いとなり、現場は騒然とした。市民らによると、集団は「民族団体」を名乗り、19日昼すぎから断続的に現れ、挑発した。ゲート前から数百メートル離れた場所で飲酒する場面もあった。
 ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は「意見の違いはあるが、社会常識から外れている。民主主義の否定だ」と憤った。移設反対の市民によると、もみ合いで女性2人が足をくじいたり、手の小指から血が出たりした。男性1人は肩を打ち付け、けがをした。