北農、11人で快進撃 県秋季高校野球第5日


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北部農林―那覇西 打たせて取る投球で勝利に貢献した北部農林のエース岸本将揮=21日、コザしんきんスタジアム(又吉康秀撮影)

 第65回県高校野球秋季大会第5日は21日、沖縄セルラースタジアム那覇などで2回戦8試合を行い、部員11人の北部農林が4―3で那覇西を破り、3回戦に進出した。小禄は4―3で那覇国際から逃げ切った。中部商はコザを6―4で下した。

そのほか第1シードの八重山や宜野湾、那覇商、宜野座、西原が勝ち進んだ。第6日の22日は2回戦8試合を行い、第2シードの興南、第3シードの浦添商が登場する。

◆北部農林 岸本、投打の立役者
 4―2で迎えた九回裏、1点をかえされなおも2死一、二塁。一打逆転サヨナラの窮地にも、北部農林のエース岸本将揮は「走者は気にせず打者と勝負」と落ち着いていた。最後は113キロの直球で詰まらせた。2試合連続の完投、打ってはこの日5打席全てで右前安打。部員11人による快進撃の立役者となっている左腕は「1回戦はコントロールに苦しんだけど修正できた」と少し疲れた表情ながら手応えをにじませた。
 166センチ、74キロのがっちりとした体格で、もともとは一塁手。3年生の引退で投手が不在となり、自ら希望した。直球の最速は120キロに届かない。だが、横のスライダーを生かした丁寧な投球で打者をかわし、凡打の山を築いた。七回の満塁の場面では前進守備を敷かず結果的に2点を奪われたが、奥濱正監督は「一つずつアウトを取っていこうと自分たちの判断でできていた」と野手陣の成長を口にした。
 練習はもっぱら打撃に費やしているというだけあり、2試合連続の2桁安打と打線は力強い。次戦は昨秋の王者・中部商が相手だ。試合後ベンチの片付けに加わり、バット10本を抱えて出てきた奥濱監督は「どうにか策を練ってみたい」と語り、主将の又吉恵斗も「打ち倒します」と宣言。有力校が初戦で姿を消す混戦模様の大会で、北部農林の11人が主役の座を狙う。(大城周子)

◇きのうの結果
▽2回戦
八重山 11―1 那覇
 (六回コールド)
宜野湾 9―8 知念
 (延長十回)
小禄 4―3 那覇国際
中部商 6―4 コザ
北部農林 4―3 那覇西
那覇商 10―3 真和志
 (七回コールド)
宜野座 7―0 浦添
 (七回コールド)
西原 9―1 名護商工
 (七回コールド)

◇きょうの試合
▽2回戦
【セルスタ】9時
豊見城南―南風原
八重山商工―宮古
未来沖縄―陽明
【しんきん】9時
前原―具志川
浦添商―与勝
嘉手納―石川
【北谷】9時
興南―久米島
美来工科―沖縄水産