久辺3区に国が新交付金 名護市通さず数千万円規模


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 【東京・名護】米軍普天間飛行場の移設作業が進むキャンプ・シュワブ周辺の辺野古、久志、豊原の3区(久辺3区)への振興策として、政府が次年度予算で新しい枠組みの交付金を名護市を通さずに3区に直接支出する方向で調整していることが23日までに分かった。

関係者によると、新交付金による事業は3区と米軍との交流事業や住民集会所の改修などに充てられる予定で、3区への支出額は数千万円程度となる。辺野古新基地建設に向け、条件付きで容認している3区への理解を促し、埋め立て本体工事着手への環境を整える目的がある。
 再編交付金など現行の補助金、交付金の制度では県や市町村が交付対象となる仕組みになっている。移設に反対する稲嶺進市長が2010年に就任して以来、米軍再編交付金の支給がないため、久辺3区内には移設が進む中で、国からの財政支援が受けられないことへの不満の声が上がっていた。そのため政府は久辺3区に交付金を直接支出できる枠組みの構築を検討していた。新交付金は防衛省予算として次年度予算に計上される見通しだ。