「意見聴取」か「聴聞」か 県と国、「取り消し」めぐり攻防


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 米軍普天間飛行場の辺野古移設に関する埋め立て承認取り消しに関し、県海岸防災課の赤崎勉課長は25日、沖縄防衛局に福島邦彦調達部次長を訪ね、行政手続法に基づく「聴聞」ではなく、県規則に基づく「意見聴取」を28日に行うことをあらためて伝える文書を手渡した。

一方、防衛省の武田博史報道官は同日の会見で「行政手続法に定める聴聞手続きが実施されるべきとの指摘をしている。県が行う意見聴取には応じる考えはない」と述べた。
 県側は辺野古埋め立て承認を申請した沖縄防衛局を行政庁と捉え、今回の取り消し処分に関し、行政手続法上で国を対象から除外している「聴聞」は適用されないとの立場だ。
 一方の防衛局は「防衛局は国の機関だが、この手続きを取るに当たっては事業者(私人)だ」(井上一徳局長)と主張し、行政手続法で定める「聴聞」の場で意見を聞き取るべきだとの立場を取る。意見聞き取りの場の設定で両者が主張し合うのは、今後の法的な手続きを見据えた動きとみられる。県が取り消した後、防衛局は行政不服審査法で私人救済を目的に定められた審査請求をする構えだ。
 一方、県側は「埋め立ての際、防衛局は民間が受ける許可ではなく、国が受ける承認を申請している。私人ではあり得ない」(県幹部)として、県の取り消し後、処分に不服があるなら、より公平性の高い審理が期待される代執行の手続きを防衛局は取るべきだとの立場だ。