前原が延長制す 8強出そろう 県秋季高校野球第8日


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前原―未来沖縄 13回前原2死三塁、中前へサヨナラ適時打を放ちガッツポーズで走りだす平良竜哉=26日、沖縄セルラースタジアム那覇(大城周子撮影)

 第65回県高校野球秋季大会第8日は26日、沖縄セルラースタジアム那覇などで3回戦4試合を行い、8強が出そろった。前原は延長十三回、サヨナラで未来沖縄を下した。嘉手納は7―1で美来工科に打ち勝った。那覇商は5―0で西原を下し、八重山商工は与勝を7―2で破った。第9日は10月3日、準々決勝4試合を行い、八重山と中部商、興南と前原、宜野座と那覇商、八重山商工と嘉手納が4強の座を懸けて激突する。

◆前原、粘って好投手攻略 主将・平良、面目のサヨナラ打
 内野手の間を鋭く抜ける打球を目で追いながら、右拳を握った。
 延長十三回裏2死三塁、それまで無安打の平良竜哉が1ボール2ストライクから振り抜いた内角寄りの直球は、3時間の熱戦に終止符を打つサヨナラ打。「ここでかえさないとクリーンアップじゃないと思った。今日は全部外の球が来ていたけど最後だけ内にきた」。3番打者そして主将の面目を保つ一打に、笑みがこぼれた。
 試合はスコアボードにひたすら「0」が並べられていく、じりじりとした接戦だった。未来沖縄のエース中本康也は緩い変化球を駆使して連打を許さず、前原は計10安打を浴びながら3投手の継投で踏ん張った。前原は1回戦も延長で強豪の糸満を破っており、捕手の中村利希斗は「気持ちだけは負けない。粘っていれば勝てると思っていた」と勝利への執念を誇った。
 殊勲打の平良は十回途中からマウンドに上がり、投手としても貢献した。夏の県大会では自らの暴投で延長サヨナラ負けを喫しただけに「1球の重みは誰よりも感じている」と言う。43年ぶりの4強入りが懸かる準々決勝は、今夏の甲子園出場メンバーを擁する興南が相手。大川基樹監督は「(興南戦に)照準を合わせてきた。全力を挙げてぶつかります」。真っ向勝負で、新たな歴史を刻むつもりだ。(大城周子)

◇きのうの結果
▽3回戦
那覇商 5―0 西原
前原 1―0 未来沖縄
  (延長十三回)
八重山商工 7―2 与勝
嘉手納 7―1 美来工科

◇10月3日の試合
▽準々決勝
【セルスタ】9時
八重山―中部商
興南―前原
【北谷】9時
宜野座―那覇商
八重山商工―嘉手納