島ぐるみ会議、国連NGO目指す 知事演説で報告会


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翁長雄志知事の国連演説の成果などが説明される島ぐるみ会議の報告会=4日午後、那覇市上下水道局の会議室

 沖縄建白書を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議は4日、那覇市上下水道局の会議室で翁長雄志知事の国連演説の報告会を開いた。同会議の島袋純国連部会長は「知事が国連人権理事会の場で『沖縄には自己決定権がある』と訴え、その主張を含めてあらゆる手段で新基地建設を阻止すると訴えたことが一番重要な点だ」と成果を強調した。島袋氏は、島ぐるみ会議として国連での発言機会を持つ「国連NGO」の資格取得を目指すことや、国連人権理事会特別報告者の沖縄への公式訪問を要請する考えを明らかにした。

 島袋氏は自己決定権と新基地建設問題の関係について、国際社会では国内の意思や同意に基づいて物事を進めるのが常識だとし、「翁長知事が自己決定権を主張したのに、沖縄の意思に基づいて政府の決定がなされないのは人権、自己決定権の侵害になる」と訴えた。
 政府が新基地建設問題を安全保障上の課題と位置付け、前知事の承認を得て作業を進めていることや負担軽減策の実施、沖縄の経済振興に努めていると反論したことについて、島ぐるみ会議対米部会の吉川秀樹氏は「人権問題を安全保障の問題にすり替えている。安全保障のためなら人権侵害をしてもいいと言っているようなものだ」と批判した。
 同会議の徳森りま氏は政府への再反論で(1)負担軽減で西普天間住宅地区の51ヘクタールを返還したと言うが在沖米軍基地面積のわずか0・2%にすぎない(2)前知事の埋め立て承認は第三者委員会の検証で瑕疵(かし)があると結論付けられ、翁長知事が取り消し手続きを進めている(3)経済振興策で人権侵害が軽減されることはない-と主張したことも紹介した。
 島袋氏は「今回の一連の行動で人権理事会の組織とのパイプもできた。今後もできる限りの取り組みを進めていきたい」と語った。