サッカー明治安田J3のFC琉球は4日、藤枝MYFCと県総合運動公園陸上競技場で第32節を戦い、1―0で勝利した。琉球は順位を二つ上げて5位に浮上した。12勝6分け11敗で勝ち点42。
琉球は前半7分、MF藤井貴が右足で決めて先制。後半39分にはDF岩渕良太が2枚目の警告で退場。数的不利となったが、集中力を切らさず逃げ切った。
次節は11日午後3時から同競技場で首位・レノファ山口と対戦する。
(3)沖縄県(琉球2勝1分け)
琉球 12勝6分け11敗(42)
1―0(1―0,0―0)
藤枝 8勝4分け18敗(28)
▽得点者【琉】藤井(2)
▽観衆 538人
【評】FC琉球は4試合ぶりに勝ち点3を手にした。序盤からゲームの主導権を握り、前半7分に岩渕のクロスに反応した藤井が先制した。後半に入ると1点を守る意識から受け身になったことや後半39分に岩渕の退場で数的不利となったことでゲームを支配された。相手の攻撃が続く場面が目立つようになったが、GK今野を中心に集中力を切らさずに1点を守り切った。(屋嘉部長将)
◆大きな勝ち点3
薩川了洋監督(FC琉球)の話 前半は流れよく、準備したことができた。その中で1点取れたことはよかった。後半は守るという意識が強くなり、相手にだいぶ攻め込まれた。最後は(選手が)体を張って守り、大きな勝ち点3が取れた。前半のような戦いを長い時間、何試合もできるようにしたい。
◆失敗を糧に成長
大石篤人監督(藤枝MYFC)の話 ディフェンスラインと連携のミスから(序盤に)失点してしまったが、チームや選手が成長する過程の中で失敗はつきもの。この経験を糧にしていかないといけない。ミスは多いが選手は頑張っている。勝ち点につなげられないのは本当に残念で僕の力不足とも感じている。
◆GK今野 集中力発揮
FC琉球は1―0で迎えた後半終了間際、藤枝MYFCの怒濤(どとう)の攻撃をGK今野太祐がスーパーセーブでしのぎ、4試合ぶりに勝ち点3を手にした。今野は「ここ数試合は失点が多かったので、とにかく抑えたかった。ゼロで守りきることを意識していた」と振り返った。
前半7分にDF岩渕良太のクロスに反応したMF藤井貴が右足でゴールを決め先制した。主導権を握り、幾度となくチャンスをつくるものの追加点が奪えず前半を終えた。後半に入ると攻守のリズムがつくれず、次第に藤枝がボールを保持する時間が長くなった。
後半終了間際、シュートを放たれ、あわや同点となる場面でも、今野が意地でボールをはじき返した。これまで勝ち点に結び付くプレーが少ないと感じていたという今野は「何も考えてなかった。ただ止めることに必死だった」と話し、「きょうみたいなプレーをどんどん増やしていきたい」と喜びの表情を見せた。
「試合中はしんどいが、1―0がDFもGKも一番気持ちいい」と語る今野。次節の相手である首位のレノファ山口には、前回5失点と大敗している。「失点を減らし、勝てるかということが大事になってくる」と力を込めた。(屋嘉部長将)