「辺野古」削除の国防権限法通過 米議会、成立は見通せず


この記事を書いた人 外間 聡子

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米議会上院は7日の本会議で国防予算の大枠を定める2016会計年度(15年10月~16年9月)の国防権限法案を可決した。法案は下院ですでに可決されており、連邦議会を通過した。
 ただ法案が歳出の強制削減の枠外とされている戦費を増額することで、総額約6120億ドル(約73兆円)を確保していることから、強制削減枠の撤廃を求めるオバマ米大統領は拒否権の発動を示唆しており、成立の見通しは立っていない。
 下院で当初可決された法案には「辺野古が唯一の選択肢だ」などと指摘した米軍普天間飛行場移設に関する条文が入っていたが、上院との協議の結果、下院が条文を撤回、可決した法案からは削除されている。
 野党である共和党が主導してまとめた法案は大統領の要求通り国防予算約6120億ドル(約73兆円)を計上した。