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花藍舎・宮良さん 染料作り、手織り作品 伐採樹木「命生かしたい」


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 【伊計島=うるま】「伐採される樹木の命を最後まで生かしたい」。うるま市勝連南風原で、琉球藍染手織り工房「花藍舎(からんしゃ)」を営む宮良千加さんは、伐採した樹木の皮から染料を取り出し、天然素材の糸を染め手織りで作品を制作する。その名も「草寿(そうじゅ)レスキュー活動」。染料となる樹木は、サクラやフクギ、シャリンバイ、ヤマモモなど多岐にわたる。
 宮良さんは、親交のある鍼灸(しんきゅう)師から「身体を立てるために腰を締める帯がほしい」と相談を受け、腰ひものような細めの「草寿帯」の制作を始めた。手締めの手織りという技法にこだわっている。
 8日には、伊計島で台風対策のために伐採されたテリハボクがあるとの情報を受け、伊計島の公民館で樹皮を剝ぎ取る作業を行った。樹木を提供した伊計自治会長の玉城正則さんは「島の恵みが新しい命となりうれしい」と活動を歓迎した。
 宮良さんは「今後も琉球藍と合わせながら暮らしに息づくものを作っていきたい」と笑顔で話した。宮良さんは9月30日、10月1日の2日間、読谷村の「りゅう」でそれぞれの身体に合った帯の見立て会も開く。問い合わせは電話098(989)4643。 (石川優子通信員)
伐採された樹木の皮で染料作りを楽しむ参加者たち=8日、うるま市の伊計島公民館