【宜野湾】宜野湾市の大山区自治会は8月13日、市立大山小学校で4年ぶりの大綱引きを行った。300年以上の歴史があると言われる伝統ある綱引きの再開に区中の人々が集まり、プライドをかけて競った。六尺棒で綱を高く持ち上げ、雌綱と雄綱の先端をぶつけて勝負するアギエーは後村渠(くしんだかり)が勝ち、綱引きでは前村渠(めんだかり)が勝利した。
大山の大綱引きは毎年、旧暦6月15日のウマチーに近い日曜日に開催する。今回は新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった。綱引き前のガーエーでは、互いの旗頭を威勢よく突き上げた。顎にのせてバランスを取るパフォーマンスでは会場が沸いた。
綱引きの中でも、地元の人が特に注目するのはアギエー。末吉孝行自治会長は「地元の人間だけで勝負するアギエーは命を懸けるほどの勢いで参加する人もいる」と、年に一度の真剣勝負について説明する。雌綱と雄綱を使い、相撲のように押し合うアギエーは相手の綱の先端を先に地面に付けるか押し切れば勝利となる。
開始の合図と共に互いに勢いよく押し合いが始まった。序盤から攻勢に出た後村渠の力業に圧倒された前村渠の綱がバランスを崩して地面に落下し、勝負あり。後村渠の綱頭を務めた比嘉健さん(58)は「とにかく勝てたことがうれしい。来年も気合を入れて参加したい」と笑顔で語った。
引き続き行われた綱引きは区外の観客も混ざり、会場全体で盛り上がった。アギエーで負けてしまった前村渠は勝負開始から力強く綱を引き続け、勝利をたぐり寄せた。一方で、本命のアギエーに負けた悔しさをにじませる人もいた。
末吉自治会長は「区内外からたくさんの人に参加してもらえた。綱引きの良さを知ってもらえたと思う。来年もぜひ足を運んでほしい」と語った。 (名嘉一心)
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伝統の大山大綱引き熱気/宜野湾/プライドかけアギエー勝負
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琉球新報社
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