「最初はまるで外国語」しまくとぅばに苦戦も 組踊「本部大主」10年ぶり上演へ 8日、南風原町の喜屋武自治会


「最初はまるで外国語」しまくとぅばに苦戦も 組踊「本部大主」10年ぶり上演へ 8日、南風原町の喜屋武自治会 10年ぶりに上演する組踊「本部大主」を練習する南風原町の字喜屋武の区民たち=9月15日、南風原町喜屋武の喜屋武公民館
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 【南風原】南風原町の喜屋武自治会(野原正一会長)が10年ぶりの組踊「本部大主(もとぶうふぬし)」上演に向け稽古を重ねている。地謡、役者の計30人は喜屋武区民が中心。しまくとぅばになじみのない若い世代も多く、組踊の唱えについて「最初は外国語を聞いているようだった」と話す。5月から週2回の練習を重ね、8日の本番に向けて熱が高まっている。

 「本部大主」は、按司を殺された若按司と家臣によるあだ討ちの物語。野原自治会長(60)によると、130年前に喜屋武に伝えられ初上演され、記録では今回が5回目の公演になる。4回目は2013年に行われた。

 「3回目から約30年たっていた。時間が空き過ぎると経験者がいなくなる。しっかり継承するため10年ほどの間隔で上演しようとなった」と話すのは喜屋武伝統芸能保存会の会長、中村高一さん(60)だ。中村さんは今回、家臣の謝名大主として出演する。3回目、4回目にも出演した。「伝統芸能に取り組むことで若い世代が地域に誇りを持ち、結びつきが強くなっていく」と話す。

区民30人が地謡、役者で出演 本番は8日に町中央公民館

 9月15日には地謡もそろい、通し稽古が行われた。本部大主役の野原由雅さん(40)は指導を受けながら迫力ある太い声で唱えを繰り返した。「全くの素人で、練習が始まったころは言葉のイントネーションが分からず戸惑いが多かった」と振り返る。「みんなで成功に向けて頑張っているのが楽しい」と笑顔になった。

 本部大主の家臣役の稲福優作さん(35)も言葉に苦戦したという。喜屋武で生まれ育ったが「台本を渡された時は、いきなり英語で読めと言われたようだった。間の取り方も難しいが頑張りたい。地元の人たちに見てもらいたい」と話した。出演者で最年少の登野盛圭汰さんは翔南小学校1年生。犬役で出演する。「みんながうれしくなるくらい上手にやりたい」と目標を語った。

 「十五夜あしび」として8日午後2時から町立中央公民館で上演。観覧無料。問い合わせは電話098(889)6603(喜屋武公民館)。
 (岩崎みどり)

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