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「海から豚がやってきた」ハワイ県系人への感謝と歴史、継承誓う 記念日、記念碑に関係者集う うるま


「海から豚がやってきた」ハワイ県系人への感謝と歴史、継承誓う 記念日、記念碑に関係者集う うるま 550頭の豚を贈ったハワイ県系人への感謝を忘れずに集まった関係者ら=9月27日、うるま市民芸術劇場の「海から豚がやってきた」記念碑前
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【うるま】沖縄戦で食料難に直面した沖縄を救うため、米ハワイの県系人が贈った550頭の豚が沖縄に届いた日から75年となる9月27日、うるま市民芸術劇場の敷地にある「海から豚がやってきた」記念碑の前に関係者らが集い、ハワイの県人から沖縄に寄せられた思いなどを後世に語り継ぐことを誓った。うるま市はこの日を「海から豚がやってきた」記念日に制定している。

 布哇(ハワイ)海豚顕彰会代表の浜端良光さんが「ハワイと沖縄をつなぐこの記念碑前で、今日も志を同じくする皆さんと時間を共有できたことをうれしく思う」とあいさつ。マハロフラスタジオが鮮やかな衣装で舞い、花を添えた。

 嘉手苅弘美市教育長は「うるま市では、今日の記念日に学校給食も豚料理にした。マンガ本も検討している。子供たちには感謝する心、貢献する心を持ってほしい」と語った。

 ハワイから贈られた豚を飼育していた父の後を2代目として継いだ、うるま市西原の池宮城宏さんは「後世につないで子や孫に歴史を伝えていきたい」と締めくくった。

 1947年、ハワイ県系人は「布哇(ハワイ)連合沖縄救済会」を立ち上げ、豚を贈り、沖縄を惨状から救うため寄付を募った。集まった寄付金約5万ドルで、豚550頭を米国本土で買い付けた。48年、県系人が乗り込んだ船オーウェン号は暴風雨や高波など危機に遭遇しながらも沖縄に届けた。届けられた豚は4年後、10万頭以上になったという。

 (世禮亮通信員)