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繁栄願いミャークヅツ 池間島、佐良浜、西原の「池間民族」


繁栄願いミャークヅツ 池間島、佐良浜、西原の「池間民族」 クイチャーを踊り五穀豊穣などを願う池間島の住民ら=3日、宮古島市の池間島
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 【宮古島】宮古島市の池間島と、同島から分村した市伊良部佐良浜(池間添、前里添)、市平良西原の人で構成される「池間民族」の伝統行事「ミャークヅツ」が、3~5日、各集落で開かれた。住民や出身者らが御嶽での御願や集落内でクイチャーを奉納するなどして、向こう1年の豊作・豊漁や、子孫と集落の繁栄を祈願した。

 男性を中心とした行事ミャークヅツは旧暦8月以降の最初の甲午(きのえうま)の日に行われる。初日の3日、池間島の池間公民館前の広場では、島の神事をつかさどるツカサンマがニガイ(祈願)を行い、ツカサンマの歌とともにクイチャーが始まった。スーツの上から法被を着た男性や集落の女性らが、大きな円を描きながらクイチャーを奉納した。「ヒヤサッサ」のかけ声に合わせて踊るクイチャーの輪の中に観光客も参加し、にぎわいを見せた。

 4日、西原ではスーツ姿でねじり鉢巻きの男性らが、五穀豊穣の旗頭を持ちながら歌い太鼓を打ち鳴らして、集落内を練り歩くパレードを実施した。時折、立ち止まり、旗頭を荒々しく上下に動かしながら踊った。集落内にある「ジャー(座)」と呼ばれる場所まで来ると奉納相撲が執り行われ、住民や観光客らは4年ぶりの伝統行事を満喫した。

 西原の仲間忠自治会長(80)は「ミャークヅツは池間民族にとって大切な行事だ。盛大に開催され、継承につなげることができて良かった」と語った。 (友寄開)

西原集落内を練り歩くパレードを実施する男性たち。時折、五穀豊穣の旗頭を上下に振りながら、踊った=4日、宮古島市平良西原
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