40年続くこだわり手打ち麺、店主「味はその時の気持ちで頼んで」 ラーメン屋「かなざわ」(宜野湾市)<うちなー味まーい>90


40年続くこだわり手打ち麺、店主「味はその時の気持ちで頼んで」 ラーメン屋「かなざわ」(宜野湾市)<うちなー味まーい>90 こだわりの手打ち麺に野菜がたっぷりのった「みそ野菜ラーメン」
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 【宜野湾】こだわりの手打ち麺はもちっとした食感とコシのある平たい縮れ麺。宜野湾市野嵩で40年以上続くラーメン屋「かなざわ」店主の金澤重男さん(73)は妻の美惠子さん(70)と日々、感謝の一杯を出している。

 金澤さんは東京で沖縄出身の美惠子さんと出会い、30歳で沖縄に移住した。沖縄に来るまでは運送業のトラックドライバーとして働いていた。休日の楽しみは地元の福島県白河にあるラーメン店に行くことだった。「とってもおいしかったんだ。店のおやじさんに頼み込んで作り方まで教わったよ」と振り返る。その店で週一回、早朝の仕込みから見学し、時には麺を打たせてもらうなど、修行させてもらった。

ラーメン店「かなざわ」を40年以上営む金澤重男さん(右)と妻の美恵子さん=13日、宜野湾市野嵩の「かなざわ」

 修行開始から1年余がたち、沖縄に移住。美惠子さんの地元である宜野湾市野嵩に出店した。開店当初はうまくいかなかったが、2人でコツコツと頑張った。その間、野嵩二区自治会にも加入し、地域との交流も積み重ねた。今では自治会活動で知り合った友人やその子ども、孫らが通う地域に愛されるラーメン店となった。

 「かなざわ」ではみそ、塩、しょうゆの3つの味を出している。注目はなんと言っても白河で学んだ手打ちの縮れ麺。豚骨と鶏ガラ、6種類の野菜から取った風味豊かなスープが麺と絡み、箸が止まらなくなる。金澤さんは「うちの売りは麺だからね。味はその時の気持ちや、食べたいものを直感で頼んでほしい」と閉店後の厨房(ちゅうぼう)で自慢の麺を仕込む。

 営業時間は午前11時から午後8時。土曜のみ午後7時半まで。日曜は定休。座敷あり。問い合わせは電話098(893)0835。

 (名嘉一心)