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児童らヒマワリ育て平和考える 豊見城・ゆたか小 避難のウクライナ人教員「早く戦争が終わり、故郷に」


児童らヒマワリ育て平和考える 豊見城・ゆたか小 避難のウクライナ人教員「早く戦争が終わり、故郷に」 ウクライナ産ヒマワリの苗を、ウクライナ出身のディアナ・メドヴェデヴァさん(右)と一緒に畑に植え替えるゆたか小学校の6年生たち=12日、豊見城市立ゆたか小学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【豊見城】世界のウチナーンチュを通して、国際平和や共生社会について考える授業が12日、豊見城市立ゆたか小学校(上原義仁校長)の6年生116人を対象に行われた。沖縄で暮らす外国人として、ロシアの侵攻により避難中のウクライナ人、ディアナ・メドヴェデヴァさん(31)が参加。児童と共にウクライナの国花ヒマワリの苗を植え付けて交流した。

 苗はウクライナ産ヒマワリから取った種で育てた。平和教育を通してウクライナに関心を持った6年生は、ヒマワリを育てていたが、8月の台風6号で立ち枯れてしまった。夏休み明けにサッカーチーム「湘南ベルマーレ」から譲り受けた種20粒で再挑戦した。この日は無事に育った苗9本を、ディアナさんと校門そばの畑に植え替えた。

 植物を世話する委員の島田優樹さんは「6年間の平和学習を通して、願うではなくつくる平和が大切だと感じた。ヒマワリを見るたびに一人一人が平和の担い手であることを実感する」とあいさつした。植え替えを終えると、児童たちは「翼をください」を合唱した。

 畑作業に先立ち、6年生は沖縄の移民史などを学習した。世界に約42万人の沖縄県系人がいること、県内にも120カ国2万人以上の外国人が暮らすことなどを学んだ。ディアナさんはウクライナ民話の絵本「てぶくろ」の読み聞かせなどを通し、母国を紹介した。児童会の野底禾琳さんと江洲美咲さんは「世界を見る目が広がった。先人たちの行動力や平和を願うことを強く感じた」と話した。

 ウクライナで教員をしていたディアナさんは現在、ウクライナに残る児童や日本に避難している児童にオンラインで教えている。ディアナさんは「素晴らしい1日だった」と振り返ると同時に「私の生徒たちや家族や友人を恋しく思った。早く戦争が終わり、故郷に帰りたい」と語った。

 (岩崎みどり)