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豊富な地下水の活用を八重瀬で円卓会議 識者や町民が意見交換 アイデア続々 流域協議会、親水公園…


豊富な地下水の活用を八重瀬で円卓会議 識者や町民が意見交換 アイデア続々 流域協議会、親水公園… 八重瀬町内の地下水の有効活用などについて話し合う円卓会議の参加者=8日、同町役場
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 【八重瀬】地下水が豊富な八重瀬町具志頭地区の水資源の価値を再評価して、活用の方向性を考える地域円卓会議が8日、町役場で開かれた。識者や地元の区長、農家、南部水道企業団や町職員らが意見を交わした。「地下水を子どもたちに知ってもらおう」「コーヒーに使えるのでは」など率直なアイデアが出た。オンラインを含め町民ら約30人が議論に耳を傾けた。

 水文学などが専門の琉球大学農学部の安元純助教は地下水を有効活用するために「対話と協議の場づくりが必要だ」と指摘した。水行政、住民、研究者が「三位一体」となって、地下水の有効活用のための意識共有を図ることが大切だと述べた。具体策として「流域協議会(仮称)」の設置を提案した。農家の屋宜芳文さんは「協議会設置は一つの重要なポイントだ」と後押しした。

 具志頭区の久保正雄区長は地下水を子どもたちに知ってもらうために「親水公園」を造れないかと私案を述べた。参加者からは多くの賛同の声が上がった。

 町内の地下水に関して「硬度が高い」との課題も上がった。県内の湧き水に関する情報発信などに取り組む「湧き水fun倶楽部」のぐしともこ代表は、硬度の高さを逆手に取り「コーヒーに使えないか」と提案した。ヨーロッパの水は硬度が高いがおいしいコーヒーができるとして、町内の地下水もPRていけるのではないかと語った。

 町土木建設課の島添和博班長は、さまざまな意見を受け「住民からの声があると行政も動きやすい。長い目で見て、継続性のある事業ができれば」と話した。

 会議は持続可能な水資源の在り方などを考える「町・琉球大SOLVE for SDGs プロジェクト」が主催した。同プロジェクトは来年度も同様の円卓会議を実施する予定。
 (照屋大哲)