泡盛、ビルマで製造の過去も、江戸時代は薬として重宝 沖縄市で市民講座


泡盛、ビルマで製造の過去も、江戸時代は薬として重宝 沖縄市で市民講座 民俗、文化史的視点で受講者の関心を引き付けた泡盛講座=11月12日、沖縄市立郷土博物館
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【沖縄】沖縄市立郷土博物館主催の博物館市民講座「島酒雑話~沖縄の酒よもやま話~」が11月12日、沖縄市文化センターで開かれ、泡盛は世界に誇る「オキナワンスピリッツ」の視点で受講者の関心を引き付けた。

 講師の大城千明学芸員は修士論文「泡盛をめぐる民俗学的考察~その受容と変遷~」を基に各地で聞き取ったエピソードを交えながら、泡盛製造は1846年の創業を起点とする年表資料で、1898年に酒屋が760戸とピークにあったと解説した。

 戦時中の1943年に陸軍省の要請によりビルマ(現ミャンマー)で泡盛が製造されたことも紹介、受講者の驚きを誘った。度数の高い泡盛が江戸時代には刀傷の治療薬として珍重されていたことなど、生活様式における泡盛の用途についても触れた。

 沖縄市との関連では戦後、「琉球」「胡屋」「諸見里」「丸一酒造」など数カ所の酒蔵が新聞広告で確認できたことを紹介、今後の研究課題に向け情報提供を呼びかけた。

 受講者からは「ビルマでの製造や市内にも多くの酒蔵があったことなど、とても興味深い講座だった」との感想が聞かれた。

 (岸本健通信員)