「夜の中城城跡」、MRグラスで見るとどんな世界? 観光振興へモニタリングツアー 沖縄


「夜の中城城跡」、MRグラスで見るとどんな世界? 観光振興へモニタリングツアー 沖縄 MRグラスを付けてライトアップされた中城城跡の城壁を散歩するモニタリングツアーの参加者=11月23日、中城村の中城城跡
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 【中城】中城村は11月23~26日の4日間、夜の中城城跡を生かした観光コンテンツの開発に向けたモニタリングツアーを実施した。首里城を観光した後に首里城、中城城、勝連城を結んだ中城ハンタ道を訪ね、グスク文化のつながりを学び、ライトアップされた夜の中城城跡を巡る日程。中城城跡では仮想現実と現実空間を一緒に楽しめるMR(複合現実)グラスを装着して幻想的な空間を楽しんだ。

 約200人がツアーに参加した。MRグラスはライトアップしたグスクの城壁が背景となり、目の前ではサンゴ礁の回りを魚やウミガメが泳ぐ映像を楽しんだ。高台にある中城城跡だが、かつては低い場所にあり、地形が隆起した自然の歴史を感じることをテーマにした。

 モニタリングツアーは観光庁の補助を受けて実施し、村観光協会が運営した。村産業振興課の糸数昌樹係長は、今後のMR活用に意欲を示した上で「本格的に導入する場合は映像の物語も作り込む必要がある。観光客によってコンテンツのニーズも違うので、今回寄せられた意見を生かしたい」と話した。

 中城城跡では夜の観光コンテンツ開発を検討しており、昨年までは夜の城壁に映像を映し出す「プロジェクションマッピング」を開催した。現在はこれに続く新たな案を検討している。

 ツアーに参加した窪優月(くぼゆづき)さん(21)は琉球大学で観光を学び、「中城と観光」をテーマに卒論をまとめるという。「映像を見て、ここが海の底にあったと想像したら面白かった。新しい技術と掛け合わせることでグスクの楽しみ方が増えるといい」と話した。

 (島袋良太)