【北中城】北中城村安谷屋の比嘉道子さん(75)がこのほど、日本歌人クラブの「第27回全九州短歌大会」で大分合同新聞社賞と選者賞を受賞した。
11月24日、北中城村に比嘉孝則村長を訪れ、受賞を報告した。
二つの賞を受けた短歌は、「台風(かぜ)除けのフクギと石垣残りたりフェンスより見る母の産土(うぶすな)」。
米軍基地のフェンスの内側に残る、母が育った屋敷跡を見て思いをはせながらも、中に入ることのできない切なさを歌った。また佳作に「人打たず人に打たれず武器持たず世界に届け空手の心」も選ばれた。
戦後もなお沖縄に米軍基地が残る現状や、平和への思いを込めた。
比嘉さんは30代後半から俳句を始め、40代後半には短歌も詠むようになった。「沖縄の戦後や基地問題を、ソフトな表現でありながら力を込めて作るよう意識している」と話す。「社会詠や家族愛を中心に、沖縄の現状をこれからも訴えたい」と語った。
(石井恵理菜)