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職員への感情的言動は威圧 糸満市議会 パワハラ研修会で廣瀬氏


職員への感情的言動は威圧 糸満市議会 パワハラ研修会で廣瀬氏 「ハラスメントは職場全員の責任」と説く廣瀬和彦さん
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

【糸満】糸満市議会(金城寛議長)は1月22日、ハラスメントに関する議員研修を開催した。全国市議会議長会で法制・議事運営に長年従事した廣瀬行政研究所の廣瀬和彦代表が講演し「ハラスメントはしない、されないだけでなく、(周囲に)させないことも大事。職場全員の責任だ」と強調した。組織として防止に努め、発生したら放置しない責任ある対応を求めた。

 昨年9月、市当局が市議会に「一般質問の事前確認や委員会の場で、議員からの威圧的言動があり、複数の職員が心身に不調を来している」として調査と再発防止を申し入れたことを受けて、議員研修を実施した。

 廣瀬氏はパワーハラスメントの定義として、職場における(1)優越的関係を背景とした言動(2)業務上必要かつ相当な範囲を超える(3)就業環境が害され能力が発揮できない―の3要件を全て満たすものと説明した。

 議員と職員の関係について「法的に上下関係や指揮命令権はない」としつつ「事実上、選挙で選ばれた住民の代表である議員に敬意を払う中で、職員が議員の要望や依頼にできるだけ応えようと対応していることに留意してほしい」と述べた。

 職場の人間関係は、それぞれが組織に属し公的立場で発言していることを意識し、怒りをぶつけることを慎む「感情マネジメント」が必要だとして「議員の感情的言動は、職員にとっては優越関係がある中の威圧と判断される」と注意を促した。議会基本条例での規定化やガイドライン作成など対策も示した。

 この問題で市当局は昨年12月にハラスメントに関する職員アンケートを実施し、2月をめどに結果を公表予定だ。金城議長は「研修を受け、ハラスメントに関する共通認識を持てた。職員アンケートの回答結果を見て、議会として調査が必要かどうかなどを検討したい」と述べた。 (岩切美穂)