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沖縄戦時の避難小屋再現 青少年育成協 山中の生活に思い 沖縄・名護、羽地展


沖縄戦時の避難小屋再現 青少年育成協 山中の生活に思い 沖縄・名護、羽地展 避難小屋の仕上げに取り組む子ども=4日、名護市の羽地地区センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】羽地地域の住民や子どもたちの作品約千点を展示する第8回羽地展(主催・名護市青少年育成協議会羽地支部)が3、4の両日、名護市の羽地地区センターで開かれた。4日には地元中学生による書道パフォーマンスも行われたほか、木の端材で作る自由工作コーナーも設けられた。会場には沖縄戦当時、区民らが山中で生活していた際に使われた避難小屋も再現展示され、子どもたちが完成に向けた仕上げの作業を手伝った。

 小屋は入り口側の長さが約2.5メートル、幅約1.5メートル、高さ約2.5メートルで、実物の半分程度の大きさ。当時の姿をありのままに再現しようと、羽地地域の山で取れたアシやヨシのほか、曲がりくねった木材なども使った。

 羽地展を主催した協議会羽地支部のメンバー6人が展示会に合わせ、1月下旬から製作を始めた。岸本菜々緒さん(10)=名護市=は「小屋の中は涼しく自然のにおいがした。戦争から逃げながら小屋を作ったのはすごい」と感心した。

 小屋の製作は2019年夏以来2回目。当時は平和学習の一環として子どもたちも関わりながら製作を始めたが、時間や材料不足で未完成に終わった。未完成の状態でも見学を望む声はあったが台風の影響で早々に撤去した。当時製作に携わった赤嶺昂哉さん(14)は「虫に刺され汗もかきながら上下関係を気にせずみんなで取り組んだ。完成すると思うと感慨深い」と振り返った。協議会の羽山英人さんは「ずっとひっかかりがあり形にしたかった。5年ぶりにみんなの思いが成就した」と完成を喜んだ。

 羽山さんは「地元の子どもたちに見学してもらいたい」と話した。小屋は16日まで羽地地区センターに展示される予定だ。 

(武井悠)