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「執心鐘入」 児童・生徒が熱演 沖縄市 斉唱、舞踊、組踊に総勢60人


「執心鐘入」 児童・生徒が熱演 沖縄市 斉唱、舞踊、組踊に総勢60人 荘重な斉唱で幕開けした公演
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【沖縄】沖縄市の児童・生徒による組踊「執心鐘入」公演(平良須賀子琉舞研究所主催)が11日、沖縄市立越来中学校体育館で開催された。児童・生徒の熱演が600人余の観客を魅了し、拍手が送られた。同市の若者文化芸術育成支援事業補助金を受けた10年ぶりの再演。
 第1部の幕開け斉唱、舞踊から第2部の組踊まで、立ち方や地謡など伝統芸能を学ぶ子どもたち約60人が舞台を作り上げた。首里王府の正装クロチョウハチマチなど豪華絢爛(けんらん)な衣装も会場を華やかにした。
 主役の中城若松と鬼女と化す宿の女が登場するクライマックスの場面では、心情や情景を地謡が高らかに歌い上げ、観客は息を飲んで舞台を見つめていた。うちなーぐちのせりふ、口上は日本語訳字幕を掲示した。
 公演は市内の多くの琉舞、箏、笛研究所のほか、越来、コザ、美原の3小学校の三線クラブが協力した。国の重要無形文化財に指定され国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されていることから、組踊を「国劇」と強調する平良さん(66)が監修と立ち方指導などを務めた。
 平良さんは「首里城と深い関わりがある越来グスク。不思議な縁を感じる公演。市を代表するイベントにしたい」と今後の抱負を語った。桑江朝千夫市長が「子どもたちが伝統芸能を継承し、地域への愛着を育むことを期待する」と祝辞を寄せた。
 鑑賞した越来中出身で那覇市に住む上浪(うえなみ)敦さん(71)は「素晴らしい舞台だった。感動した」と熱演をたたえた。うるま市からきょうだいや祖母らと来場した田場小5年の新垣理夢さん(11)は「同じ年代の舞台に感激した。とても興味が湧いてきた」と話していた。(岸本健通信員)