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持続可能な農業へ支援を 国頭・具志堅農園 クラウドファンディング呼びかけ 効率化・安定生産目指す 沖縄


持続可能な農業へ支援を 国頭・具志堅農園 クラウドファンディング呼びかけ 効率化・安定生産目指す 沖縄 クラウドファンディングでの支援を呼びかける具志堅興児さん(左から3人目)と従事者ら=24日、国頭村の具志堅農園スイートコーン畑
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自然豊かな世界自然遺産登録地のやんばるで農業を営む具志堅農園(国頭村鏡地)の代表者・具志堅興児さん(43)は、農業が楽しく夢のある仕事だと子どもたちに知ってもらいたいと考えている。未来の世代にバトンタッチできる「持続可能な農業」を目指し、今回、初めてクラウドファンディング(CF)に挑戦して支援を呼びかけている。

 具志堅さんは「広い土地と豊富な水があり、自然豊かな環境の中で子育てをしながら農業経営に取り組みたい」と2014年1月に国頭村へ移住。16年9月から国頭村認定新規就農者として、17年4月からは国頭村農業青年会議の会長として8年間活動、昨年その職を後輩農家へ引き継いだ。

昨年、具志堅農園の畑で採れたスイートコーン
昨年、具志堅農園の畑で採れたスイートコーン

 具志堅さんは移住後、サヤインゲンやオクラ、島ラッキョウ、トウモロコシなどを栽培する。現在は糖度が20度を超える「くんじゃんコーン」を県内外へ販売し、好評でリピーターが多い。村内ではあまり見ることのなかったスナップエンドウ、ズッキーニなども育て、地域の仲間らと情報を共有して新たな作物栽培に挑戦してきた。

 周年収穫可能な作物を選択して季節に合った作物を栽培し、安定した収入が得られる仕組みを取り入れる。塩バジルの加工品づくりにも力を入れ、地域の好評を得ている。

 妻の優子さん(49)と二人三脚で始めた農園は現在、常勤3人とパート3人が勤務し、村内では貴重な農業従事者雇用の場になっている。

 具志堅さんは「植え付けした作物が収穫前に台風被害に遭うなど難儀なことが多々あり、そのたび気持ちを奮い立たせた。大変だけど農業は楽しい。ただ高齢化が進み従事者が減少し、後継者不足が課題となっており、子どもたちにしっかりとつなげられる農業を続けていきたい」と話す。作業の効率化を図り、今よりも安定的な生産を心がけていくという。

 クラウドファンディングは、100万円を目標額に3月20日まで実施している。今回のリターンでは、丹念に育てられた朝採れの極甘スイートコーン、塩バジル、エコバッグ、収穫体験、活動報告、農園ステッカーなどが金額ごとに選択でき、4月上旬から発送される。

(新城高仁通信員)