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宇茂佐公民館(名護市) 人口増の地域、人材育成に力<わした公民館>108


宇茂佐公民館(名護市) 人口増の地域、人材育成に力<わした公民館>108 学事奨励会に参加する宇茂佐区の子どもたち=2023年7月9日、宇茂佐公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 池田 哲平

 市街地や海、山に近い宇茂佐区は、その利便性に加え、土地改良や宅地整備などによって移住者も増え、名護市内で人口増加が著しい地域の一つだ。1975年に600人台だった人口は、ことし1月末現在で9千人を超えた。地域で子どもたちを育てる気概が息づき、公民館を拠点として交流の輪が広がる。

地域で子どもたちを育てる拠点となる宇茂佐公民館の前に立つ宮城良勝区長
=2月27日、名護市宇茂佐

 他地域と比べて「痩せた土地」だった宇茂佐区は、元々、農業に不向きだったとされる。土地条件の悪さもあり、人々は村を挙げて教育や人材育成に力を入れてきた。地域の子どもたちに鉛筆や学習ノートなどを授ける学事奨励会は1907年に始まり、名護市史によると、県内でも最も早い時期に学事奨励会が開催された。沖縄戦中の一時期を除き、清明祭翌日の行事として区に定着する。

 地域で子を見守る温かな雰囲気で、多くの教育関係者やスポーツで活躍する選手を輩出してきた。バスケットボールの琉球ゴールデンキングスで活躍する岸本隆一選手も同区の出身。各地に残る豊年祭行事はないが、旧暦8月の十五夜の頃に開かれる敬老会に、若者らが踊りを披露する。お年寄りに楽しんでほしいと始まり、区民の親睦の機会として欠かせない行事となった。


 宮城良勝区長から一言 スーパー、病院、海、山まで車で10分以内。自然、古里を愛し快適に住める地域づくりを目指していく。


 宇茂佐区メモ 2011年に区画整理事業により「宇茂佐の森」が地名として登録され、多くの宅地が造成された。1月末現在の世帯数は4737戸、人口は9092人。

(池田哲平)