【恩納】恩納村は、村内に住む高校生の通学費の負担軽減に向け、独自の通学費補助事業を実施する。県の通学費支援や補助事業に該当しない生徒が対象で、9月から申請を受け付ける見込み。村によると、県の事業対象から外れた高校生全員を対象にした自治体独自の通学費補助事業は、県内初とみられる。
事業では自宅のある村内4小学校の校区から高校までの距離を5キロから30キロまで5キロ刻みで分け、距離区分に応じて助成額を決める。最も短い5キロ未満は月額2千円で、5キロごとに2千円ずつ増額し、最長の30キロ以上は1万4千円を助成する見込み。約4キロ離れている同村仲泊から石川高校まで通う場合、1カ月のバス定期代7430円のうち、補助額は2000円、家計の自己負担は5430円となる。村は一般財源を活用し、本年度一般会計予算に事業費2160万円を計上した。
バス通学の他、保護者が車で送迎している場合や自転車通学の生徒も対象で、対象者は最大300人前後とみられる。申請は4月以降の上半期分を9月、10月以降の下半期分を3月に受け付け、申請の翌月にそれぞれ給付する。今後、5月下旬に村の教育全体を協議する総合教育会議で事業の実施内容を決定し、6月に要項を確定する。
恩納村には高校がなく、村内の高校生は石川高校(うるま市)や読谷高校(読谷村)など村外の高校に通学している。このため通学費に対する経済的負担が大きく、村民などから補助を求める声が上がっていた。事業は通学費負担の重さを理由に退学や転学する生徒を未然に防ぐことも狙いだ。
(武井悠)