【八重瀬】琉球・沖縄の歴史文化を学ぶ同好会「具志頭歴史友の会」に異色の“研究者”が加わった。結婚を機に沖縄へ移り住んだポーランド生まれのイザベラ・石川さん(55)だ。自然が大好きで沖縄の森に入っていろいろ観察したり、地元の人に話を聞いたりして楽しんでいる。ガマや御嶽などを見る機会が増え、これは何だろうと疑問を持つようになり興味の幅を広げている。
久高島に行ってノロから話を聞くようになってからは、琉球の歴史と文化に興味を抱き、もっと勉強しようといろんな本を読むようになった。具志頭歴史友の会で講師を務める宮城信夫さんが記した、沖縄の歴史文化を英語で解説する「沖縄文化への招待~歴史・伝統・日常生活の日本語と英語による概説」(榕樹書林発行)に出合い、さらに知識を深めている。
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イザベラさんは大学で言語学を専門に学んだ。以前は八重瀬町内の小中学校で英語を教えていたが、今は北中城村の塾で英語を教えている。今、気掛かりなのは沖縄語がなくなるのではということだ。母国のポーランドは昔、ロシアとドイツに翻弄(ほんろう)され、ポーランド語の使用が禁止された。使うと投獄されるなどした歴史がある。うちなーぐちも学校などで使用を制限された歴史があるため、「学校で英語を教えるよりうちなーぐちを教える時間を増やしたほうが良いのでは」と訴える。
沖縄を学び続けるイザベラさんは「外国人に沖縄の歴史と文化を教えて、海外と沖縄との懸け橋になれるように頑張りたい」と話している。
(喜屋武幸弘通信員)