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地元住民ら「避けては通れない」 新ごみ処理施設に西原町小那覇が内定 建設向け前進 沖縄


地元住民ら「避けては通れない」 新ごみ処理施設に西原町小那覇が内定 建設向け前進 沖縄 南部広域行政組合のごみ処理施設の建設場所に内定した土地=21日、西原町小那覇
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 【南部】南部広域行政組合(理事長・古謝景春南城市長)の理事協議会で21日、新ごみ処理施設の建設場所が西原町小那覇に内定した。最終処分場は八重瀬町内に設置が決まっており、7月開催の次回理事協議会で町内3カ所の候補地から建設場所を内定する予定だ。昨年5月に白紙に戻っていた、ごみ処理施設と最終処分場の建設地問題が、解決に向け大きく前進した。

 南部6市町で現在利用しているごみ処理施設は、東部環境美化センター(与那原町)が1985年、糸豊環境美化センター(糸満市)が98年に供用開始と、老朽化が進む。

 南部広域行政組合は2019年10月、ごみ処理施設と最終処分場の建設地を八重瀬町具志頭地区に決定したと発表した。両施設の建設予定地で養豚業を営む業者を国の補助金を活用して町外移転できると見込み、27年度の供用開始を目指していた。しかし、補助金が使用できないことが判明。南部広域行政組合は23年5月の理事会で計画を白紙に戻さざるを得ず、糸満、豊見城、与那原、西原の4市町にごみ処理施設の候補地推薦を募っていた。

 西原町は8月、町内全32の自治会が集まる事務連絡会で、推薦地を募った。小那覇自治会は、事務連絡会の翌日の理事会で、推薦地について話し合った結果、不法投棄や耕作放棄が問題となっていた、海側の土地の推薦を決めた。

 小那覇自治会の泉川寛会長は「町内にごみ処理施設があれば、ごみが早めに回収され、鳥獣に散らかされる心配もなくなる。老朽化するごみ処理施設建設は避けては通れず、誰かが手を挙げなくてはいけない」と話す。

 古謝理事長は「地域住民の理解を得られ、本当にありがたい。町全体の理解を得て、計画を前に進めたい」とほっとした表情を浮かべた。

 (藤村謙吾)