伊是名村が減圧給水 渇水、水道管断裂も 終了めど立たず 沖縄


伊是名村が減圧給水 渇水、水道管断裂も 終了めど立たず 沖縄 貯水率が低い状態が続くメンナー山貯水池=28日、伊是名村(比嘉陽子通信員撮影)
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 渇水状態が続いている伊是名村は9日から水道水の給水圧力を下げて水の出る量を抑える減圧給水を実施している。これに伴い、水道水の勢いが通常より弱くなっている。対象は村内5区のうち3区で、終了のめどは立っていない。28日午前0時時点で、村内のメンナー山貯水池の貯水量は26・1%、天城ダムは47・0%。ダムを管理する県企業局の担当者は「本島ほど渇水が改善されたわけではない。大切に水を使ってほしい」と求めた。

 村によると、村内の水道水は県企業局が管理する伊是名浄水場から村管理の仲田浄水場を経由して各家庭に配水される。伊是名浄水場から仲田浄水場へ通常の供給量で配水した場合、渇水の恐れがあることから、村は9日から伊是名区と勢理客区で減圧給水を始めた。仲田区は17日に水道管が断裂し、一時断水して修復工事を行ったが、復旧後に水を急激に流すと他の水道管が破損する恐れがあるため、同日以降減圧給水を実施している。

 村には5月の大型連休中、帰省客や観光客千人余りが訪れた。来村者が村の想定を上回り、使用量が増えたことも水不足に拍車を掛けた。

 村は2022年度、給水量のうち、水道料金などの徴収対象となった水量を示す「有収率」が51・1%と県内で最も低い。県企業局によると、有収率が低い場合、一般的には漏水している可能性が高い。村は本年度も早ければ6月から、漏水が多い場所を中心に漏水調査に取り組む予定だ。一方、水道管の更新計画は資材価格や人件費の高騰で遅れが生じている。

 減圧給水について村の担当者は「本来は一刻も早く解除したいが、県企業局と調整して進めていきたい」と話した。県企業局の担当者は「梅雨や台風の降水量によるダムの回復状況を見て役場と終了時期を調整したい」と語った。

 (武井悠)