有料

能登支援医師らが報告 災害派遣医療チーム、宜野座で


能登支援医師らが報告 災害派遣医療チーム、宜野座で 災害派遣医療チーム(DMAT)の能登半島地震支援活動報告会=5月27日、宜野座村ふれあい交流センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宜野座】災害派遣医療チーム(DMAT)の能登半島地震支援活動報告会が5月27日、宜野座村ふれあい交流センターで開かれ、現地に派遣された医師や看護師が活動内容を報告した。
 ハートライフ病院統括DMAT・救急総合診療部救急部長の水戸正人医師、DMAT看護師・救急科看護師長の兼本愛美さんが石川県能登町、穴水町での支援活動について、現地の画像や映像を示し報告した。
 宜野座村、恩納村、金武町の行政機関など多くの参加者が聴講し、沖縄県で能登半島地震と同規模災害の発生を想定した災害への心構えを再認識した。
 現地では2月中旬まで5千人を超えるDMATが活動した。沖縄県のDMATは少数精鋭の構成だった。病院の診療支援、搬送調整、診療所の診療支援のほか、避難所や高齢者福祉施設を巡回診療した。起こり得る想定内、想定外の課題を具体的に評価(アセスメント)し、要配慮者、災害弱者を医療につなげるDMATの取り組みを説明した。
 現状分析や情報を「見える化」し、他のチームとの共有が大切だと説明。医療が崩壊した被災地では医療従事者も被災者だとした。なじみのある地域に居続ける被災者、孤立集落への支援も必要だと訴えた。
 医療崩壊の実状として、震災発生から2週間後、全入院患者34人を避難させたいという医療機関のため、自衛隊機を活用した実例も伝えた。
 水戸医師は、再生のための支援終了を見据え、自立して持続可能な復興計画の策定が重要とし「支援を上手に受け取る『受援』の準備も必要である」と示唆した。 (池辺賢児通信員)