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子のアトピーきっかけに起業「安心して使えるものを」 カフェも新たに併設 「子育て良品」代表・舩谷香さん(南風原町)<人あそぶ街つくる>103


子のアトピーきっかけに起業「安心して使えるものを」 カフェも新たに併設 「子育て良品」代表・舩谷香さん(南風原町)<人あそぶ街つくる>103 沖縄子育て良品代表の舩谷 香さん
この記事を書いた人 Avatar photo 田中 芳

 子育てを頑張るお母さんとその子どもたちに安心・安全な商品を使ってほしいという思いで、せっけんや日焼け止めなどのオリジナル商品を中心に取り扱う「沖縄子育て良品」(南風原町)の舩谷香代表(55)。2004年6月に起業してから21年目を迎えた。23年12月から店舗内に新たに自然派カフェ「キナリカフェ」を開店。ビーガンのハンバーグやタコライス、地元の「はえばる豚」を、手作りの塩こうじに漬けて低温調理したローストポークなど身体に優しい食事を提供する。

 ―設立のきっかけは。

 「3人目の子どもにアトピーがあったのがきっかけで、子どもたちのために使えるものを作りたいと思った。3人の子育てをしながら起業した。知識がなかったので、アロマの学校で学びながら、アロマのせっけんを作ったのが始まりだ」

 ―累計販売が32万本の虫よけスプレーなども商品開発した。

 「散歩している時に子どもが虫刺されをして、市販の虫よけを使ったが、強い化学物質で肌荒れした。そのため、化学物質を使わない、7種の天然アロマを調合して作っている」

 ―客層の変化は。

 「開店した頃、子育てグッズは女性が買いに来るものだったが、最近は男性が積極的だ。『ベビースリング』も、今は男性が試着している。子育てに参加したい男性が増えたと感じ、すごくいい流れだと思う」

 ―自社農園も運営する。

 「農薬・肥料を使わず、多様な作物を育てる『協生農法』や異なる種類の植物を近くに植えて栽培する『コンパニオンプランツ』の考え方を取り入れ、無農薬栽培をしている。カフェで使うサラダ菜やレモングラスなどのハーブも育てている。10代の頃、熊本県の水俣市で生活し、環境問題に向き合ったことが大きい。水俣病そのものが私たち人間の便利な生活の裏側にあることで、目を背けることはできない。どう生きて、どう食べるかということは土と直結している」

 ―起業から21年目を迎えた。

 「20年前に来ていたお客さんの子どもが赤ちゃんを産んで、3世代でお店にきてくれるようになった。商品をずっと使ってくれて、支えられている」

 (田中芳)


 ふなたに・かおり 1968年生まれ。栃木県出身。88年に沖縄に移住。15年ほど沖縄企業勤務を経て、2004年に「沖縄子育て良品」を起業。沖縄の素材を生かし、安心・安全にこだわった商品を開発。23年12月に店舗内に「キナリカフェ」をオープン。栄養士の資格を持つ長女の野添更紗さんがカフェの責任者・監修を務める。