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将棋きょうだい全国へ 石垣・高橋憩さん、紡さん 中学生選手権県予選で男女V


将棋きょうだい全国へ 石垣・高橋憩さん、紡さん 中学生選手権県予選で男女V 全国中学生選抜将棋選手権沖縄県予選できょうだいそろって優勝した高橋憩さん(右)と、紡さん=5月29日、石垣市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【石垣】全国中学生選抜将棋選手権大会県予選女子の部(主催・日本将棋連盟沖縄県支部連合会)が5月12日に那覇市内であり、石垣中学校3年の高橋憩(いこい)さん(14)が2連覇を果たした。弟で石垣中1年の紡(つむぐ)さん(11)も同男子の部で初優勝した。県支部連合会によると、記録が残る2009年以来、きょうだいそろっての優勝は県内初。攻めの将棋でつかんだ栄冠を、控えめな憩さんは「うれしい」と喜びをかみしめ、やんちゃな紡さんは「狙っていた」と自信たっぷりに振り返った。8月に山形県天童市である全国大会にそれぞれ県代表として出場する。
 将棋を先に始めたのは紡さん。将棋好きの父潤さん(39)から勧められたのがきっかけ。小学1年から市内の「八将館こども将棋教室」に通いメキメキと力を付けてきた。自宅でも潤さんの教えを受けながら対局を重ねている。
 2人の姿を「横でずっと見ていた」という憩さんは小学5年生から始めた。駒の動きは「見て覚えた」という職人タイプだ。
 駒の中で攻守に役立つ「金」が好きだという憩さん。将棋の醍醐味(だいごみ)は「やってみるまで勝敗が分からない。強い人が勝つとは限らないところ」と感じている。
 一方の紡さんの好きな駒は「歩」。「歩がないと攻めが成立しない。自分の歩を取られてもダメージが少ない」と歩の深みにはまっている。将棋の魅力は「相手に詰み勝った時が楽しい」と笑った。
 今回、女子の部には5人が出場した。総当たり戦で憩さんは4戦全勝で頂点に立った。
 紡さんは16人の出場者の中から、2勝1敗で予選ブロックを突破。決勝トーナメント準々決勝では予選で敗れた相手に雪辱を果たした。準決勝と決勝は3年生を破り、栄冠を手にした。
 全国大会に向けて憩さんは「最低トップ10に入る」、紡さんは「予選通過し、最低1勝」と意気込んだ。 (照屋大哲)