有料

伝統の大綱引き本番へ縄作り 宜野湾・真志喜 28日開催「地域外からも見に来て」


伝統の大綱引き本番へ縄作り 宜野湾・真志喜 28日開催「地域外からも見に来て」 真志喜大綱引きの本番に向けて縄作りをする区民ら=14日、宜野湾市の真志喜公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宜野湾】宜野湾市の真志喜区自治会による真志喜大綱引きが28日午後5時から、真志喜中学校運動場で実施される。県内でも独特の、綱を高く持ち上げてぶつけ合うアギエー勝負もある。本番に向けた同区公民館での縄作りが6日から始まっており、区民らがわらをなう作業に汗を流している。
 昔から湧き水が豊富で、水田や豊かな畑に恵まれた真志喜。起源は定かではないが、宜野湾間切が誕生して以来、300年以上の歴史があると言われている。沖縄戦と戦後を挟んで中止されたが、豊かな恵みや繁栄を願って長く継承されてきた。
 稲は中国産。雄雌の両綱は合わせて50メートルになり、今年は雌綱が新調される。昨年はコロナ禍明けで久しぶりに本格開催されたが、名城清区長は「その間に子どもたちの綱引きへの記憶が薄れてしまった」と振り返る。
 そんな中で小学生にも興味を持ってもらおうと、地域のはごろも小学校地域コーディネーター、米須和美さんの協力も得て児童対象の大綱引きポスター絵画コンクールを開催。同小での綱作り体験にも取り組んできた。米須さんは「地域と学校をつなげたい思いが強くある。子どもたちは行事を知り地域に自信を持って自身の肯定感を持ってほしいし、保護者にも足元の歴史を知ってほしい」と語る。
 名城区長は「基本的には子孫繁栄と安全祈願の行事だが、今は皆で集まって楽しもうという目的もある。地域外の人でもぜひ見に来てもらい、一緒に盛り上げてほしい」と多くの来場に期待した。28日午後5時からはポスター絵画コンクール表彰式、空手やエイサー演武などが披露され、午後6時半からガーエー、アギエー、綱引きが行われる。 (石井恭子)